#06酸化還元反応の量的関係

酸化還元反応にまつわる計算は大きく分けて2パターンです。
① 化学反応式(イオン反応式)の量的関係
② 半反応式の量的関係
それぞれについて、例題を通して勉強しましょう。

酸化還元反応の量的関係の解き方①

化学反応式(イオン反応式)の書かれた問題の場合は次のように解きます。

Point

係数と変化量の関係を利用して解く
→係数の比を利用する

【例題1】化学反応式の場合

二酸化硫黄と硫化水素は、次のようにはたらく。
SO2 + 2H2S → 3S + 2H2O
0.50molの硫化水素を酸化するのに必要な二酸化硫黄の物質量を求めよ。またその際生じる水の質量を求めよ。

必要なSO2 0.25 [mol]
生じるH2O 9.0 [ g ]

これは、他の反応と同じ解き方です。
化学反応では、反応式中の係数と、実際の変化量の物質量が比例します。
SO2 と H2S の係数が1:2なので、物質量も1:2となる。
よって、計算式は、
1:2= x:0.50
x = 0.25 [mol]

同様に、
H2S と H2O係数が2:2なので、物質量も2:2となる。
よって、計算式は、
2:2 = y:0.50
y = 0.50 [mol]
問ではH2Oの質量を聞かれているので、
0.50 × 18 = 9.0 [ g ]

演習問題1

次の各問に答えなさい。

  1. 二酸化硫黄SO2と硫化水素H2Sは、次のように反応する。
     2H2S + SO2 → 2H2O + 3S
    0.50molのH2Sが反応するとき、必要なSO2は何molか。
  2. 過マンガン酸カリウムと硫酸鉄(Ⅱ)は、次のように反応する。
    2KMnO4 + 10FeSO4 + 8H2SO4 → 2MnSO4 + 5Fe2(SO4)3 + 8H2O + K2SO4
    0.20molのKMnO4が反応するとき、必要なFeSO4は何molか。
  3. 硫酸酸性の0.30mol/Lシュウ酸(COOH)2 水溶液10mLと濃度不明の二クロム酸カリウム K2Cr2O7 水溶液25mLは、次のように反応する。
      K2Cr2O7 + 4H2SO4 + 3(COOH)2 → Cr2(SO4)3 + 7H2O + 6CO2 + K2SO4
    二クロム酸カリウム水溶液の濃度をもとめよ。
  4. 硫酸酸性の0.40mol/L過酸化水素H2O2水溶液10mLと濃度不明の過マンガン酸カリウムKMnO4水溶液20mLは、次のように反応する。
     2KMnO4 + 3H2SO4 +5H2O2 → 2MnSO4+ 8H2O + 5O2 + K2SO4
    過マンガン酸カリウム水溶液の濃度をもとめよ。
  1. 答え 0.25 [mol]
  2. 答え 1.0 [mol]
  3. 答え 0.040 [mol/L]
  4. 答え 0.080 [mol/L]

  1. 2:1=0.50:X
    X=0.25 [mol]

  2. 2:10=0.20:X
    X=1.0 [mol]

  3. 1:3= C × 25/1000 : 0.30 × 10/1000
    C = 0.040 [mol/L]

  4. 2:5= C × 20/1000 : 0.40 × 10/1000
    C = 0.080 [mol/L]

酸化還元反応の量的関係の解き方②

半反応式(eを含む式)の書かれた問題の場合は次のように解きます。

Point

eの係数と酸化剤還元剤の物質量の関係を利用する

【例題2】半反応式の場合

二酸化硫黄水溶液と硫化水素水溶液は、次のようにはたらく。
SO2 + 4H+ + 4e → S + 2H2O
H2S → S + 2H+ +2e
0.50molの硫化水素を酸化するのに必要な二酸化硫黄の物質量を求めよ。

0.25 [mol]

この問題を見た時に、半反応式を2つ合体させて化学反応式を作り、例題1のように解くと考えたかもしれません。その方法でも解くことができますが、時間がかかってしまいます。
では、どのように解けばよいかというと、以下の方法です。

Point

(酸化剤1mol当たりのeの係数)×(酸化剤のmol)=(還元剤1mol当たりのeの係数)×(還元剤のmol)

これを利用して解くと次のようになります。
4 × A = 2 × 0.50
A = 0.25 [mol]
このように、例題1のような化学反応式を作らなくても答えを出すことができます。
半反応式→化学反応式→計算よりも、あきらかに早く答えを出せますので使いこなしましょう。



演習問題2

次の各問に答えなさい。

  1. 二酸化硫黄SO2と硫化水素H2Sは、次のように反応する。
     SO2 + 4H+ + 4e → S + 2H2O
     H2S → S + 2H+ + 2e
    0.50molのH2Sが反応するとき、必要なSO2は何molか。
  2. 過マンガン酸カリウムと硫酸鉄(Ⅱ)は、次のように反応する。
    MnO4 + 8H+ +5e → Mn2+ + 4H2O
    Fe2+ → Fe3+ + e
    0.20molのKMnO4が反応するとき、必要なFeSO4は何molか。
  3. 硫酸酸性の0.30mol/Lシュウ酸(COOH)2 水溶液10mLと濃度不明の二クロム酸カリウム K2Cr2O7 水溶液25mLは、次のように反応する。
      Cr2O72- + 14H+ + 6e→ 2Cr3+ + 7H2O
     (COOH)2 → 2CO2 + 2H+ + 2e
    二クロム酸カリウム水溶液の濃度をもとめよ。
  4. 硫酸酸性の0.40mol/L過酸化水素H2O2水溶液10mLと濃度不明の過マンガン酸カリウムKMnO4水溶液20mLは、次のように反応する。
     MnO4 + 8H+ + 5e → Mn2+ + 4H2O
     H2O2 → O2 + 2H+ + 2e
    過マンガン酸カリウム水溶液の濃度をもとめよ。
  1. 答え 0.25 [mol]
  2. 答え 1.0 [mol]
  3. 答え 0.040 [mol/L]
  4. 答え 0.080 [mol/L]

  1. 4 × X = 2 × 0.50
    X = 0.25 [mol]

  2. 5 × 0.20 = 1 × X
    X = 1.0 [mol]

  3. 6 × C × 25/1000 = 2 × 0.30 × 10/1000
    C = 0.040 [mol/L]

  4. 5 × C × 20/1000 = 2 × 0.40 × 10/1000
    C = 0.080 [mol/L]

まとめ

演習問題1・2はどちらも同じ物質の反応、同じ数値です。違うのは、化学反応式が書かれた問題なのか、半反応式が書かれた問題なのか。でも、答えは全く同じ値になります。