#03酸化剤・還元剤とは

説明

酸化剤・還元剤とは

  • 酸化剤:酸化還元反応で、相手を酸化する働きをもつ物質
  • 還元剤:酸化還元反応で、相手を還元する働きをもつ物質

をいいます。自身について考えると、

  • 酸化剤:酸化還元反応で、還元される物質
  • 還元剤:酸化還元反応で、酸化される物質

となります。どちらの方法でもいいので、見つけましょう。

Point
  • 酸化剤:相手を酸化し、自身は還元される物質
  • 還元剤:相手を還元し、自身は酸化される物質

酸化還元の見分け方については、別の投稿で確認しました。
紹介した3つのどの方法で見分けても構いません。

ただし、酸素と水素での見つけ方は万能ではないので、ここでは酸化数での見つけ方のみに絞って解説します。

Zn + H2SO4 → ZnSO4 + H2

たとえば、この反応の場合は、酸化数を調べて酸化数の増減を考えると…

亜鉛と硫酸の酸化還元反応

となります。Znが酸化され、H2SO4還元されていました。
よって、酸化剤はH2SO4で、還元剤はZnということになります。

このように、酸化数を調べ、増減を確認して見つけます。
酸化還元にはいくつか特徴があるので覚えていくとテストや入試で便利です。

Point
  1. 酸化剤還元剤は各反応式に必ず1つずつある
  2. 反応式中に単体があると必ず酸化還元反応である。
    ※酸化還元反応であれば必ず単体があるわけではない。
  3. 単体の金属は必ず酸化されるので、還元剤である。
  4. 単体のハロゲンは必ず還元されるので、酸化剤である。

1について
高校化学の酸化還元反応では多くが1〜3つの反応物(矢印の左側にある物質)からなる反応ですが、どの反応においても酸化剤還元剤は1つずつ存在します。
まず最も多い反応物が2つの場合では、反応物の一方が酸化剤と決まれば、おのずと残りが還元剤となります。次に反応物が3つの場合では、反応物の1つが酸化剤と決まっても、残り2つのうちどちらかが還元剤かは判断できないので、じみちに酸化数の変化を考えるしかありません。最後に反応物が1つの場合では、この場合は1つの反応物が酸化剤還元剤の両方の役割を担っています。このような反応を特に自己酸化還元反応と呼びます。
例:2H2O2 → 2H2O + O2

2について
いくつかの反応から酸化還元反応を判別する問題が出題されることがあります。その際に利用します。
(例題)
次の各反応の中で酸化還元反応でないものを全て選べ。
① Zn + H2SO4 → ZnSO4 + H2
② H2SO4 + Ca(OH)2 → CaSO4 + 2H2O
③ SO2 + 2H2S → 2H2O + 3S
④ SnCl2 + 2FeCl3 → SnCl4 + 2FeCl2

この場合の答えは、②のみです。
①はPointにあるように単体ZnやH2があるので酸化還元反応と判断できます。
②は単体がありませんし、酸H2SO4と塩基Ca(OH)2があり中和反応である。どの原子に注目しても、酸化数の変化はありません。
③もPointにあるように単体Sがあるので酸化還元反応と判断できます。
④は単体がありませんが、酸化還元反応です。酸化数の変化があります。
このように、④のようなことがあるので理解して利用してください。

3・4について
わかりやすい例として単体の金属とハロゲンを紹介しましたが、他にも酸化剤にしかならない物質、還元剤にしかならない物質があります。それを覚えていれば酸化数を調べる必要はありません。これについては、次の投稿で紹介している表を参考にしてください。

演習問題

各反応の酸化剤・還元剤を答えなさい。

  1. Zn + 2HCl → ZnCl2 + H2
  2. C + O2 → CO2
  3. Ca + 2H2O → Ca(OH)2 + H2
  4. CuO + H2 → Cu + H2O
  5. 4HCl + MnO2 → MnCl2 + Cl2 + 2H2O
  6. Cu + 4HNO3 → Cu(NO3)2 + 2H2O +2NO2
  7. K2Cr2O7 + 3H2O2 +4H2SO4 → Cr2(SO4)3 + 3O2 + 7H2O + K2SO4
  8. 2KMnO4 +5H2O2 + 3H2SO4 → 2MnSO4 + 8H2O + 5O2 + K2SO4
  1. 酸化剤:HCl、還元剤:Zn
  2. 酸化剤:O2、還元剤:C
  3. 酸化剤:H2O、還元剤:Ca
  4. 酸化剤:CuO、還元剤:H2
  5. 酸化剤:MnO2、還元剤:HCl
  6. 酸化剤:HNO3、還元剤:Cu
  7. 酸化剤:K2Cr2O7、還元剤:H2O2
  8. 酸化剤:KMnO4、還元剤:H2O2

1.

亜鉛と塩酸の酸化還元反応

2.

炭素と酸素の酸化還元反応

3.

カルシウムと水の酸化還元反応

4.

酸化銅と水素の酸化還元反応

5.

塩酸と二酸化マンガンの酸化還元反応

6.

銅と濃硝酸の酸化還元反応

7.

二クロム酸カリウムと過酸化水素の酸化還元反応

8.

過マンガン酸カリウムと過酸化水素の酸化還元反応