#07酸化・還元のされやすさ、する力

非金属であるハロゲン元素と、金属元素について酸化されやすさ・還元されやすさを考えましょう。

ハロゲン・ハロゲン化物イオン

単体のハロゲンの還元されやすさ

単体のハロゲン、例えば塩素は以下のように反応します。
Cl2 + 2e→ 2Cl
このように単体のハロゲンは、(電子を引きつけ受け取ることで)還元されて陰イオンになります。
単体のハロゲンは原子番号の小さいものほど還元されやすく、陰イオンになりやすいです。

これは、原子番号が小さいほど原子半径が小さく、電子を引きつける力(電気陰性度)が大きいからです。
このように単体のハロゲンは自身が還元されるわけですが、同時に相手を酸化しています。よって、単体のハロゲンは酸化剤ということです。このように相手を酸化することを酸化作用といい、酸化作用の大小を酸化力と言います。
ハロゲンに還元されやすさがあるということは、次のようにハロゲンには酸化作用の大小があります。

ハロゲン化物イオンの酸化されやすさ

では、先ほどの逆の反応を考えましょう。
2Cl→ Cl2 + 2e
この反応はハロゲン化物イオンが酸化されて単体のハロゲンになる反応です。
前述したように、先ほどと全く逆の反応なので、酸化されやすさは還元されやすさと真逆の関係となります。

Point(ハロゲンの性質)

ハロゲンは、原子番号が小さいほど原子半径が小さく、電子を引きつける力(電気陰性度)が大きいので、還元されやすい。よって、原子番号が小さいほど、陰イオンの状態になりやすい。また、酸化作用が強いということになる。

「まとめ」
ハロゲンは、原子番号が小さいほど還元されやすく(相手を酸化しやすく)、陰イオンになりやすい。

例題1

次の反応のうち起こり得るものを選びなさい。
 ① 2KI + Cl2 → I2 + 2KCl
 ② 2KF + Cl2 → F2 + 2KCl
 ③ 2KCl + F2 → Cl2 + 2KF
 ④ 2KCl + I2 → Cl2 + 2KI

① ClはIに比べてイオンになりたい。また、IはClに比べて単体になりたい。現状では、お互い不満があるので、変化する。
② FはClに比べてイオンでいたい。また、ClはFに比べて単体でいたい。現状でお互い満足。
③ ClはFに比べてイオンでいたい。また、FはClに比べて単体でいたい。現状でお互い満足。
④ ClはIに比べてイオンでいたい。また、IはClに比べて単体でいたい。現状でお互い満足。

金属元素・金属イオン

金属元素の酸化されやすさ

単体の金属、例えばナトリウムは以下のように反応します。
Na → Na+ + e
このように単体の金属は、(電子を放出し、他の原子に与えることで)酸化されて陽イオンになります。このような性質をイオン化傾向と言います。また、このイオン化傾向の大きい順に金属元素を並べたものをイオン化列と言います。

イオン化列

イオン化傾向

イオン化列の左ほどイオン傾向が大きく、陽イオンになりやすいという特徴があります。また、イオン化列の右ほどイオン化傾向が小さく、陽イオンになりにくい(=単体で存在しやすい)という特徴があります。これらの性質から次のようなことがわかります。

例:硫酸銅水溶液に亜鉛版を浸した場合

硫酸銅水溶液に亜鉛版

図のように変化します。
これは、ZnとCuのイオン化傾向がZnの方が大きいためです。
 イオン化傾向: Zn > Cu
つまり、「Znはイオンになりたいけど、現状イオンではない。Cuは単体でいたいが単体ではない。なので、お互い今の状態が嫌で変わりたがっている」ということです。
よって、この場合は、次の変化が起きます。
 Cu2+ + 2e → Cu
 Zn → Zn2+ + 2e
またこの際、電子が移動するので電流が発生します。

これが、逆の場合はどうでしょう。

例:硫酸亜鉛水溶液に銅板を浸した場合

この場合は、お互いのなりたい状態になれているので変化が起きません。

この金属の反応性(イオン化傾向)を利用しているのが電池です。
電池については、次の投稿で学びしょう。

イオン化傾向と反応性

イオン化傾向2

単体の金属が陽イオンになるということは、別の物質と反応するということです。よって、イオン化列は単体の金属の反応のしやすさを表すことにもなります。
以下は、単体の金属が[空気・水・酸]とどのように反応するかを表した表です。

イオン化傾向

この表において、例外になるものがあります。
酸との反応において「酸化力の強い酸と反応する」金属がありますが、このうち【Al,Fe,Ni】は濃硝酸に対してすぐ反応しなくなります。これは、これらの金属が濃硝酸と反応すると金属の表面に薄い膜(酸化被膜)が形成され、濃硝酸が金属に触れなくなるからです。このような状態を不動態といいます。

Point(王水)

一升体積比1の濃硝酸 三円体積比3の濃塩酸

Point(不動態)

翔さん濃硝酸FeNiあるAl不動産不動態