#03 元素の同定

元素の同定の仕方について

元素の同定とは?

ある物質がどの元素から構成されているかを特定することを元素の同定といいます。

目に見えない元素をどうやって確かめるの?

例えば、目の前に小麦粉の袋があるとします。この袋に入っているのは本当に小麦粉なのでしょうか?小麦粉の袋に入っているからと言って粉砂糖かもしれません。食塩かもしれません。それをどうやって確かめればいいのでしょうか。このように、未知の物質に含まれる成分元素を実験の結果によって目視で特定することができます。

実験は、化学的な方法(化学的な性質を利用)と、物理的な方法(光の波長を利用)があります。


化学的な方法による元素の同定

①Hの同定の方法

H2Oを同定することによって、成分元素であるHを同定します。

実験方法

ⅰ. 硫酸銅無水塩に生じた液体をかけるとになることを確認
ⅱ. 塩化コバルト紙に生じた液体をつけるとになることを確認

補足

試料を加熱した際に、液体が生じることがあります。この液体がH2Oであることを特定することによって、試料の中にH元素が含まれていたことを特定する方法です。この結果において注意すべきなのが、「特定できる元素はHだけでOが試料に含まれていたかどうかは断定できない」という点です。酸素O2が空気中に存在するので、「空気中のO2と試料のHが結びついてH2Oになったのか」、「試料中のHとOが結びついてH2Oになったか」を実験の結果からは判断できないからです。

②Cの同定方法

CO2を同定することによって、成分元素であるCを同定します。

実験方法

生じた気体を無色の石灰水にくぐらせると石灰水が白濁することを確認

補足

試料を加熱した際に、液体が生じることがあります。この気体がCO2であることを特定することによって、試料の中にC元素が含まれていたことを特定する方法です。この結果において注意すべきなのが、「特定できる元素はCだけでOが試料に含まれていたかどうかは断定できない」という点です。酸素O2が空気中に存在するので、「空気中のO2と試料のCが結びついてCO2になったのか」、「試料中のCとOが結びついてCO2になったか」を実験の結果からは判断できないからです。

③Sの同定方法

S2ーとPb2+の化合物であるPbSが黒色の沈殿を作ることを利用してSを同定します。

実験方法

(NaOHを加えて加熱・融解することによってNa2Sが生じる。ここで生じる)S2ー酢酸鉛水溶液を加えると色沈澱が生じる。

補足

S2ーを含む溶液に酢酸鉛Pb(CH3COO)2を加えると、黒色の硫化鉛PbSを生じます。
S2ー + Pb(CH3COO)2 → PbS + 2CH3COO

④Clの同定方法

ClとAgの化合物であるAgClが白色の沈殿を作ることを利用してClを同定します。

実験方法

ⅰ.焼いた銅線に液体試料を付着させる。その銅線を炎の中に入れると青緑の炎を確認できる。
ⅱ.液体試料に硝酸銀AgNO3水溶液を加えると色沈澱を生じる。

補足

ⅰ.銅は炎色反応によって青緑色の炎になりますが、固体の銅を直接炎に入れてもあまり炎色反応を示しません。そこで、銅線に塩化物イオンClを含む液体試料を付着させると、塩化銅CuCl2を生じるため、炎色反応を示しやすくなるのです。

ⅱ.液体試料中に含まれる塩化物イオンClと硝酸銀AgNO3が反応すると、以下のように反応が起こり、白色の塩化銀が生じます。
Cl + AgNO3 → AgCl + NO3


物理的な方法による元素の同定

物質のスペクトルを観察して、特定の波長の光を放出するか吸収するかによって元素の同定を行うことができます。

①炎色反応

実験方法

特定したい物質が溶けた溶液をプラチナPt(白金)線につけ、炎の中に入れると炎の色が特定の色に変化します。この炎の色から含まれている金属元素を特定することができる方法です。

補足1

この実験で特定できるのは、主にアルカリ金属とアルカリ土類金属になります。
この反応を利用したものが花火です。

Li リアカー Na無き  K  K村  Ba馬力   Ca借りようと  Cu努力Sr  するもくれない
 黄  赤紫 黄緑   橙赤 青緑  紅

補足2

この実験では、前回の実験の物質がプラチナ(白金)線に付着していても目で確認することができず、炎の色として現れてしいます。よって、実験を行う前にプラチナ(白金)線をキレイに洗う必要があります。金属元素は水では流し落とすことが難しいため、濃塩酸を使用して洗い、炎の中に入れて金属元素が付着していないことを確認する操作を繰り返します。

②原子吸光分析

この方法では、元素が放出する光を使って、元素を同定したり、濃度を測定することができます。

具体的には、試料に含まれる元素が、外部からエネルギーを受け取ることで光を放出します。この放出された光を元素ごとに専用のランプから放たれる光と比較することで、その元素が含まれているかどうかや、どれくらいの濃度で含まれているかを調べることができるのです。また、非常に微量の元素でも検出することができます。

この方法は、環境や食品など、様々な分野で使われています。例えば、水中に微量の金属が含まれているかどうかを調べたり、食品中に有害な金属が含まれていないかを調べたりするのに使われます。