#02 単体と元素

元素と単体の見分け方

元素と単体の違い

元素とは物質をつくる成分をさし、単体とは1つの元素でできた物質を指します。

例えば、H2Oという物質には、Hという元素が成分として含まれてますし、Oという元素が成分として含まれています。よってこの物質はHとOの2つの成分からできている物質なので、化合物となります。

また、H2という物質には、Hという元素が成分として含まれていて、この物質はHという成分のみでできている物質なので単体です。

とてもややこしいのですが、元素の中には、「単体の名前」と、「元素の名前」が一致するものがあります。例えば、「助燃性のある気体の酸素O2と、元素としての酸素O」や「可燃性のある気体の水素H2と、元素としての水素H」などです。
これらが文章中に登場したときに、どちらを表しているかを判断する問題がよく出題されます。

元素と単体の見分け方

【例題】

次の文章中の下線部が単体を指すか、元素を指すかそれぞれ答えなさい。
1.患者に酸素を吸入する。
2.水は酸素と水素からなる。
3.空気中の約21%が酸素である。
4.地殻中の約50%が酸素である。
5.酸素とオゾンはどちらも酸素の同素体である。

1.単体
(吸入するのはO2という気体であるので)
2.元素
(水はH2Oであり、成分としてOが含まれているので)
3.単体
(空気に含まれているのは、O2という気体であるので)
4.元素
(地殻中に含まれているのは、O2という気体ではなく、SiO2やAl2O3の成分としてOが含まれているので)
5.元素
(書き換えると「O2とO3はどちらもOの同素体である。」)

このように、元素と単体を見分けるためには、

① 成分として含まれているなら元素、存在する物質としてなら単体
② 基本的な知識も必要

まず①についてですが、例題の2や4のように、H2O,SiO2,Al2O3にはOが成分として含まれているので元素です。
同様に、1・3のように、存在する物質O2としての場合は単体です。

次に②についてですが、3・4のように存在する物質がO2なのかSiO2,Al2O3なのかは、知識として知っている必要があります。なので、問題を解きながら知識を得てください。もっとも、入試対策をしていれば自然と知識は増えるはずです。特に無機化学を学習すると知識は豊富になります。

演習問題

次の文章中の下線部が単体を指すか、元素を指すかそれぞれ答えなさい。
1.酸素の融点は−218℃である。
2.水を電気分解すると、水素と酸素が得られる。
3.植物の生育には、窒素がかかせない。
4.食塩にはナトリウムと塩素が含まれている。
5.牛乳には、カルシウムが多く含まれている。
6.アンモニアは、触媒を用いて水素と酸素から合成される。
7.水素と酸素の混合気体に点火すると、水を生じる。

1.単体
(O2という気体の融点なので)
2.単体
(2H2O → 2H2 + O2の反応で、O2が気体として生じるので)
3.元素
(植物は栄養素としてN・P・Kの元素をこれらを成分として含む肥料から得る必要があるので)
4.元素
(食塩は塩化ナトリウムNaClであり、成分としてClを含むので)
5.元素
(単体のカルシウムは銀白色の金属であり、成分としてカルシウムが含まれているので)
6.単体
(アンモニアの合成は3H2 + N2 → 2NH3の反応で、H2とN2からNH3が生じるので)
7.単体
(2H2 + O2 → 2H2Oの反応で、H2とO2からH2Oが生じるので)