#01 原子量・分子量・式量

原子量・分子量・式量って何が違うの?

原子量について

原子量とは

「質量数12の炭素原子1個の質量を12とし、これを基準とした他の原子1個の相対質量。同位体がある場合は、各同位体の相対質量と存在比よりもとめた平均値。」
と言われても、よくわからない…

相対質量とは

まず相対質量って何??

相対質量」とは、何かと比較した質量
 ⇒ハローキティの体重はリンゴ3個分

絶対質量」とは、他のものと比較していない質量
 ⇒リンゴの平均的な質量は約300g

質量数12の炭素原子1個の質量は1.99×10−23g で軽すぎる!
このときの質量を12としよう!(⇒これを相対質量の基準とする)
これなら数字が大きくて扱いやすい!
他の原子は、質量数12の炭素原子と比較して考えよう。
例えば、質量数1の水素原子1個の質量は1.67×10−24gだから…
(1.99×10−23):(1.67×10−24)=12:x
x=1.007
よって、質量数1の水素原子1個の相対質量は1.007となります。

ここで注意したいのは、相対質量には単位がありません
扱いやすいから勝手に質量数12の炭素原子1個の相対質量を12と定義したので、本当の重さではないからです。

原子量とは

では、原子量とは何でしょうか。
同位体が存在しないのであれば、相対質量=原子量となります。
天然には同位体が存在する元素があり、その場合は同位体とその存在比を考慮した相対質量の平均値を原子量とします。
ひらたく言えば、「水素にも重いものと軽いものが存在するから平均値をとって水素の重さとして考えよう!」ということです。

平均値のもとめ方

さて、ここで平均値の求め方ですが、次の問題をどう解きますか?
<問題>
あるクラスでは100点を取った人が2人、80点を取った人が6人、60点を取った人が2人いました。このときの平均点は何点ですか?

<答え>
80点

<解説>
多くの人は、次のように解いたと思います。
(点数の合計)÷(人数の合計)=平均点
(100×2 + 80×6 + 60×2)÷ (2+6+2) = 80
もちろんこの方法は正解ですが。次のような解き方ができます。

<別解>
(要素A)×(要素Aの割合)+(要素B)×(要素Bの割合)+ … = 平均値
100 × 2/10 + 80 × 6/10 + 60 × 2/10 = 80
このような方法でも平均値は求めることができるのです。

原子量の求め方

話を戻して、上記で紹介した計算方法で原子量を求めてみましょう。

<例題>
塩素には質量数が35と37の同位体が存在する。それぞれの存在比が75.0%、25.0%、また、35Cl = 35.0、37Cl = 37.0として、塩素の原子量を求めよ。

<解答>
35.5

<解説>
(要素A)×(要素Aの割合)+(要素B)×(要素Bの割合)+ … = 平均値
35.0× 0.750 + 37.0 × 0.250 = 35.5

分子量・式量について

原子の相対質量を原子量と呼びましたが、分子であれば分子量、それ以外は式量と呼びます。
分子量と式量は原子量の和なので、足せばいいだけです。
原子量は原則、問題に書かれているのでそれを利用して解きます。よって、原子量を暗記する必要はありません。しかし、問題文で与えられる原子量は同じ数値であることがほとんどなので、覚えているとスピードアップします。なので、英単語のように覚えるのではなく、問題を解きながら覚えていくといいでしょう!

例題

次の物質やイオンの分子量または式量を求めよ。
ただし、H=1.0,C=12,N=14,O=16,Mg=24,S=32,Cu=64
(1)O2
(2)N2
(3)CO2
(4)H2SO4
(5)Mg(OH)2
(6)SO42ー
(7)NH4+
(8)CuSO4・5H2O

(1)32 … 16 × 2
(2)28 … 14 × 2
(3)44 … 12 + 16 × 2
(4)98 … 1.0 × 2 + 32 + 16 × 4
(5)58 … 24 + (16 + 1.0 ) × 2
(6)96 … 32 + 16 × 4
(7)18 … 14 + 1.0 × 4
(8)250 … 64 + 32 + 16 × 4 + 5 × ( 1.0 × 2 + 16 )

演習問題

①原子量

ホウ素には質量数が10と11の同位体が存在する。それぞれの存在比が20.0%、80.0%、また、10B = 10、11B = 11として、ホウ素の原子量を求めよ。

<解答>
10.8

<解説>
10× 0.200 + 11 × 0.800 = 10.8

②分子量・式量

次の物質やイオンの分子量または式量を求めよ。
ただし、H=1.0,C=12,N=14,O=16,Mg=24,P=31,S=32,Ca=40
(1)O3
(2)H2
(3)NO2
(4)HNO3
(5)Ca(OH)2
(6)CO32ー
(7)PO43ー

(1)48 … 16 × 3
(2)2.0 … 1.0 × 2
(3)46 … 14 + 16 × 2
(4)63 … 1.0 + 14 + 16 × 3
(5)74 … 40 + (16 + 1.0 ) × 2
(6)60 … 12 + 16 × 3
(7)95 … 31 + 16 × 4